[登場人物]
カミカミマン
女の子
怪人
ナレーター
ナレーター | 彼の名はカミカミマン。とってもとっても強いんだ。 |
彼の拳は空を引き裂き、蹴りは大地を割ったという。 | |
でもひとつだけ弱点があったんだ。 | |
カミカミマンはセリフを噛むと死んでしまうんだ。 | |
カミカミマンは下手に去る。 | |
怪人と女の子が上手から入場。 | |
怪人 | ホーッホッホッホ。そこのかわいいお嬢ちゃん。 |
我が悪の組織が誘拐してやるぞ。 | |
女の子 | キャー!誰か助けて! |
カミカミマン | (下手ハケから)待ていっ! |
怪人 | 誰だ! |
カミカミマン | (登場して)そのいらいけな少女を離せ! |
いらいけ、いたいけ、ぐおおおっ(死ぬ) | |
カミカミマンは下手に去る。怪人と女の子は上手に去る。 | |
ナレーター | こうしてカミカミマンは死んでしまった。 |
カミカミマンの息子、カミカミマンJrは必死にセリフの練習をした。 | |
彼の父、カミカミマンが死んでしまったときのセリフは言えるようになったんだぞ。 | |
カミカミカミマンは下手から入場。 | |
怪人と女の子は上手から入場。すでに怪人は女の子を捕らえている。 | |
Jr | そのいたいけな少女を離せ! |
怪人 | なんだと、こしゃくなやつめ。 |
女の子 | 助けて!この怪人、ナマムギナマゴメナマタマゴマンをやっつけて! |
Jr | 覚悟しろ、ナマムギナマゴメナママママン!ぐおおおっ(死ぬ)。 |
カミカミマンJrは下手に去る。 | |
怪人と女の子は上手に去る。 | |
ナレーター | こうしてカミカミマンJrは死んでしまった。 |
カミカミマンの息子、カミカミマンJrカミーミョは必死にセリフの練習をした。 | |
カミカミマン一家は親の名前に自分の名前を足していくという決まりなんだ。おもしろいね。 | |
カミカミマンJrカミーミョは下手から入場。 | |
怪人と女の子は上手から入場。すでに怪人は女の子を捕らえている。 | |
女の子 | 助けて!この怪人、ナマムギナマゴメナマタマゴマンをやっつけて! |
カミーミョ | 覚悟しろ、ナマムギナマゴメナマタマゴマン!とぅっ。 |
怪人 | ぐおおお!くっ、調子に乗るなよカミカミマンJrカミーミョ。 |
次の怪人、アカマキガミアオマキガミキマキガミマンがお前を待っているぞ。 | |
くっ、ギャアアア! | |
ナレーター | みんなの予想通り、新しい怪人が出る度にカミカミマン一家は順番に死んで行った。 |
そしてとうとう、第35代目のカミカミマンは悪の親玉、骨粗しょう症で摘出手術を受けた老若男女マンを追い詰めた。 | |
カミ×Nマン | 覚悟しろ、骨粗しょう症で摘出手術を受けた老若男女マン!とうっ。 |
悪の親玉 | ギャアアア! |
女の子 | ありがとう。助けてくれて。 |
カミ×Nマン | ふっ。礼にはおよばないぜ。 |
女の子 | あの・・せめてお名前を。 |
カミ×Nマン | (まずい、と思うが、気をとりなおしてかっこよく)…名乗るほどのものではない。 |
女の子 | せめてお名前を。 |
カミ×Nマン | …いや、長いんで。 |
女の子 | お名前を。 |
カミ×Nマン | …私はカミカミマンJrカミーミョカミュカミャエルカミーカミカミミャンニャンミャンカミャマンJrカミーミョ(噛むまで繰り返し)、ぐおおおっ(死ぬ)。 |
ナレーター | 惜しかったね。 |
終劇 |